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『よ〜しとりあえず校庭三周してこい』
出席確認が終わると手をくるくる回して走ってこいと合図した。いつもの事ながら、暑さからやる気なく走り始める。
『暑いけどやる気出して走れよ、かたまりすぎだぞ〜』
一周走ったところで教師は普段と違い人の塊が散らばらない事がやる気の無さかと思い大声で叫ぶ、しかし実際は塊の中心にいる悠の姿を見てる為に誰ひとりとして先に行こうとする者がいないのである。大きく揺れる胸、チラチラ見えるお腹、柔らかそうな恥丘、キュッと締まったお尻に舐めるような視線が集まってくる、悠を見た者は皆例外なく股間を膨らませ前かがみになりながら走っていた。
『お前ら集まってくんなよ!散れ、気持ち悪いんだよ変態共が!!』
『そんな事言ってもな〜』『お前の身体がエロすぎなんだよ』『女子と体育なんて中学以来だし、しかもブルマ姿なんて・・・』
『だったら見なきゃいいだろ!!!』
『そうはいかないだろ折角の目の保養になるものがあるんだからな』『確かに、確かに』
何度追い払っても寄って来る連中にストレスが溜まっていく。どんなに怒鳴っても、可愛い顔の女の子だとあまり怖く思えないのか離れる者もいなく、怒鳴った瞬間は少し離れてもすぐ寄ってきてしまう。
『どいつもこいつも鼻の下伸ばしやがって、いいかげんにしろよ』
ついに頭にきて集団の最後尾に行くと、自分より後ろに行こうとする奴らを蹴飛ばして前を走らせた。
そんな事をしながら三周が走り終わると教師の前に並び準備体操を始めた。
『いっちに、さんし・・・』
適度な間隔に広がると前に出た体育委員の声で体操を始める。悠は並びの中央部分にいる為に体操中もそこら中から視線が飛んでくる。悠より前の列の連中は悔しそうな顔で体操の随所でチラチラ見るしかなかった。屈伸や足を広げ手を地面につけようとする体勢になる度に視線が足の付け根、股間に視線が集まる。無視はしているがそんな連中達の顔に見つづけられているとしだいに、頭の中でイラツキよりも羞恥心が占めて恥ずかしくなってしまう。なんとなく身体を隠そうと動きがぎこちなくなる。
『おら、ちゃんと準備運動しないと怪我するぞ!橘、ちゃんとやれ!』
教師の怒鳴り声が響き渡る、男子の中にたった一人いる女子のせいかどうしても目立ってしまい悠一人が注意を受ける。
(くそ〜、なんで俺だけ・・・)
仕方が無く身体を大きく動かして体操するが、恥ずかしくてしょうがなかった。しつこいぐらいのいやらしい視線を周りから受けているとなんだか胸が締め付けられ身体が熱くなってきた。
(この感じ・・・朝、下着を見せた時も同じ感じがした・・)
視線に耐えながら不思議な感覚にとまどっていると準備運動が終わり教師が再び酔ってきた。
『今日は100m走やるからな、体育委員の末永〜準備頼むな、あとまじめにやってなかった橘お前も一緒に行け、残りは二列に分かれて並べ』
体育委員と悠を残し100m走の方に歩いていった。残された二人は体育倉庫に器具を取りに向かった。
『ちくしょう、なんで俺もやんなきゃなんねーんだよ』
『そ、そうだねでもやっぱり一人だけいる女の子だったから目立ったんじゃないのかな?』
『そうかもしれないけどさ〜』
校庭に転がる小石を蹴り飛ばしながら愚痴を言う悠を体育委員の「末永 徹」がなだめた。末永はクラスでも小柄でメガネをかけており、あまり目立たないタイプで別に体力があるわけでもないが、休んでいるうちに体育委員にさせられていた。そんな引っ込み思案で、悠のクラスでなかったら間違いなく苛めを受けているのではないかというタイプだ。
『ところで、倉庫から何もって来るんだ?』
『え、あ・・たぶん、スタートの時に脚を引っ掛けるのと、ホイッスルとタイムウォッチだと思うよ
『ふ〜ん、ん?なんでそんなビクビクしてんだよ』
最初並んでいたはずなのに倉庫に着くまでの半分くらいの位置に来たとき1m近く離れて歩く末永に疑問を感じた。
『あ、いや、その・・・』
『なんだよ、別に何もしねーから言ってみろよ』
口篭もる末永の背中を軽く叩いた。
『そ、その、女の子と2人で歩くの初めてで・・・その、緊張しちゃって・・』
『・・・・あははははっ、何だよそりゃ。お前そんな事で緊張してんのかよ』
『・・す、すいません』
『ははは。いやいや笑ってわりぃ』
人見知りする方だと思っていたがそこまでの事はと驚くと笑いがおさまらなかった。でも落ち込む姿を見せられると、すまないと思い謝った。
『ほんとわりぃわりぃ、大丈夫クラスの奴らには黙っておくから心配すんなよ』
『は、はい、そうしてくれるとうれしいです』
『しっかしまさかそんな事とはな〜他の奴らなら何も言わずとも寄ってくるのに、まさか遠ざかる奴がいるとは思わなかったよ。そういや校庭走った時も末永は前の方に一人いたもんな?』
『はい・・そのあまり見ないようにしてたから・・・』
『でも、お前もこの体操服代出したんだろ?』
『いちおう・・出せと言われたから・・・』
『なるほどね、でもお前が一番俺の事見てないな』
『そ、それは恥ずかしいから』
会話しながらもこちらを見ようとせずに地面を見ながら歩き続けている姿を見てると少し可笑しくなった。視線が無くなり雑談していたおかげで身体の火照りが少し治まった気がした。そんな会話をしているうちに倉庫に着くと扉を開け中に入った、ほこりっぽくカビ臭い匂いが立ち込めていた。薄暗く思ったより倉庫内は広かった。乱雑に並べられている用具の間を抜けて棚の辺りを二手に分かれて探すことにした。
『・・・見つからねえな〜末永、そっちは?』
『う、うん。取り付けるのは見つけたけど、ホイッスルとかが・・・』
明かりがつかないので、入り口と天窓から差し込む光を頼りに探すしかなく、また用具全体が整理されていない為に予想以上に目的の品がみつからなかった。再び探そうとしたとき末永が見つけた。
『あ、ありました・・・でも』
『ん?どうした?』
『あんな所に・・・』
指差した方角を見ると高めの棚の上にホイッスルと書かれた缶が置いてあった。
『あんなとこに誰が置いたんだよ・・・しゃあねえとりあえず取ろう』
近づいてジャンプしてみたが届きそうになかった。
『なんか台になるものも無いしな・・・仕方無い。末永俺を肩車しろ!』
『え・・そ、そんな・・』
『それしか無いだろ、それに男のお前のが力あるだろ、なんか俺女の身体になってから筋力衰えたっぽいんだよ、いいだろ?』
『う、うん、わかった』
正直、基本的身体能力は落ちてないようだが、筋力は男に比べ段違いに落ちていた。真実を話し説得させると立ち膝で座らせた。
『いくぞ』
『う、うん』
一言言うと末永の両肩にフトモモを乗っけると、掛け声とともに立ち上がらせた。まだバランスが取れないらしくフラフラしている。
『末永、もう少し前に進んでくれ』
『う、うん』
わかっていても上手く前に進めない、しかも自分の頭の後ろに女性の股間があるという思うと、緊張して体が動かない(橘さん、いいにおいがする・・・)
顔のすぐ横にあるフトモモから女性特有の甘い香りがする、それを嗅ぐように首を動かした。
『あ・・・ば、馬鹿危ないだろ首を動かすな』
首を動かしたときに股間のすぐ脇あたりに末永の髪の毛がチクチクと刺さり微妙な感触を受けてしまった、それに反応したのか先程の火照りがぶり返してきた。
(や、やばっ、またこの感じだ・・・)
『末永、早く進め』
『うん』
『んっ!?』
胸を押さえ、なんとなく今のままが続くとヤバイと感じがして急がせると、末永が頷いた瞬間頭が股間にあたった。ドクンっと心臓が鼓動したと思うと今までになく身体が熱くなる気がした。
『頷かなくて・・いいから。はぁ、はぁ、早く進め』
必死に押し寄せる何かに耐えながら口を開いた。その声に後押しされてゆっくり進みだす、もう少しで手が届くではないかと思えたところで悠は耐え切れなくなり肩から脚をはずし前のめりになり缶を掴んだ。
『うわっ』
『わっ』
「ドンガラガッシャーン」悠の急な行動に驚きバランスをくずし、二人とも倒れてしまった。
『いたたたたっ・・・末永平気か?あっ!』
『な、なんとか・・・』
無事を確認した直後、悠は自分と末永の体勢に気付いた。末永が仰向けに倒れ、その上に逆向きでうつ伏せになるように悠が乗っている。悠の目の前に末永のモノが、末永の前に悠のお尻が、互いに性器を舐めあえる体勢になっていたのだ。目の前のモノから離れようと悠は咄嗟に上半身を持ち上げた、その直後自分のお尻を末永の顔に押し付ける形になってしまった。
『うーーー』
『あっ、ひゃんっ』
顔にお尻を押し付けられ苦しくて息を吸うと末永の口が悠の割れ目の上にあったために吸われた瞬間背中がゾクゾクっと震え、つい少し大きめの喘ぎ声を出してしまった。慌てて後ろに飛びのき末永の顔からお尻を放す。
『ゲホッゲホッ・・・何今の?』
末永はなんとか上半身を持ち上げ呼吸を整えるた。しかし悠はドキドキが納まらず末永のことなどどうでもいいと思った。
(身体が・・アソコが熱い・・・)
股間と胸を押さえ必死に襲い掛かってくる快楽の波に耐えた
『あ、あれ・・えっとメガネは・・・あった』
倒れた拍子にメガネが落ちたらしく辺りを探し見つけるとすぐにつけた。
『あ、橘さん大丈夫?』
メガネをかけ視界がはっきりすると目の前で顔を伏せ胸を押さえている悠に気がつき声をかけた。
『ああ・・それより末永・・はぁ、はぁ、今どうなってたかわかるか・・?』
『い、いや、僕メガネ無いとほとんど見えないから全然わかんなかったよ。何かが顔に押し付けられた事ぐらいしかわかんなかったよ、何かはわかんなかったけど・・・』
息絶え絶えになりながら末次の答えを聞いて少し安心した、どうやら自分の股間を押し付けていた事は気付かれなかったようだ。それにフトモモで末永の耳を押さえつけていたおかげで喘ぎ声も聞こえなかったらしい、もしそんな事言ったらこいつのことだから鼻血を出して倒れるかもしれない。
『い、いいか・・今のは忘れろ。それと倉庫の出来事を誰にも話すなよ・・はぁはぁ』
『う、うん。わかった』
『じゃ、じゃあ俺は先戻るからな。あと頼む』
気付かれなかったことに安心すると一目散に倉庫からでた、未だに火照りがおさまらないのである。胸を押さえつけながら教師のもとに向かう。
『先生、ちょっとトイレに行ってきます』
『お、おう』
たいして返事も聞かないで校舎の方に走っていく。校舎付近まで来て教師やクラスメイトから姿が見えなくなると進路変え校舎脇にある外のトイレに向かった。
『っ。あんっ、あふぅ・・』
(熱いあついアツイ・・・身体中が熱い・・・)
しだいに胸の高鳴りが早くなり火照りが激しくなると身体中の神経が敏感になる、走るたびに揺れる乳房が体操着に擦れて、それだけで感じてしまう。また乳首はビンビンに硬くなっており揺れにあわせて布に擦れクニクニと向きをかえる、気を抜くとすぐにでも快楽にのまれてしまいそうだ。
『うぁんっ、ぁぁん、あんっ』
(はやく・・早くトイレに・・・)
早く急ぐと走ると胸が揺れて感じてしまう、しかし歩いてはいられず、どうしても急いでしまおうと早足になる、甘い喘ぎ声が口からこぼれる。
なんとかトイレにたどり着くとすぐさま中に入った、中は外に比べひんやりとしていた。扉の鍵を閉めて入り口脇にある洗面台に手をついて体重を預け床のタイルに膝立ち体勢になり必死に疼きに耐えた。
(ダメだ・・・ここで快楽に流されたら終わりだ・・・耐えるんだ・・・)
もう、すぐにでも花弁に指をあててぐちゃぐちゃに撫で回したいのを必死に耐え、拳を硬く握り歯を食いしばり次々襲い掛かる波を静めようとした。もし今ここでオナニーをしてしまえば気がすむまでアソコを触りつづけるだろう。しかし人に見られ興奮してきただけで快楽に流され耐えることもできなければ、またいつ同じ状況に陥るかわからない。そんなことではただの発情した動物とかわらない。自分は男だ、快感になったら自我を失うそんなメスじゃない、昨日のお風呂の時と同じく快楽に身を任せてはいけない。そう自分に言い聞かせる。
『うっ・・ぅふっ・・・はぁ、はぁ・・・』
(意識しちゃダメだ、意識するな・・・)
額から汗が滲み出る、股を広げ股間から少しでも意識を反らそうとする。首を左右に振り意識を飛ばそうとする、それに合わせリボンに縛られた髪がフリフリと宙を舞う。意識を反らそうとすればするほど反比例するように心臓がドキンドキン激しく鼓動し、おさまる事が無く、股間が火のように熱くなる。
(ダメだ・・熱い・・・)
咄嗟に立ち上がるとブルマに手をかけ下着ごと一気に下ろし脚から引き抜いて床に置いた。下半身に覆うものが無くなると心持ち涼しくなった気がする。しかし下半身の中枢とも言うべき場所は反発する様に太陽の如く熱く火照ってた。洗面台にある鏡に両手をつける、見ると目をとろ〜んとさせ色っぽい顔をした乙女がこちらを見ていた、顔を上気させほどよく肌をピンク色に染めている(なんて顔してんだよ・・・)
自分の顔を見ていると切なくなる、快感をもの欲しそうに見つめる少女を・・・。
『・・・きゃんっ』
そんな感慨に浸る悠を下半身から刺激が襲い掛かる、無意識のうちに股を擦り合わせ少しでも刺激を求めようと秘部をなぞっていた。慌てて股を肩幅ほどに広げると再び洗面台に立ち膝で屈服する。ちらりと股に目をやると、今の刺激で反応したのか蜜壷からトロトロと蜜があふれフトモモを伝わっていく。蜜の香りと快感に乱れる女性のフェロモンが混じりあいトイレ全体に甘く淫乱な香りが充満していった。トイレに女の子が一人体操着姿で下半身素っ裸、靴とソックスしかつけてなく入り口に向けお尻を突き出している、こんな状況で誰か来たら間違いなく襲われてしまうだろう。だが悠にはそんな自分の状況などを考える余地も無く疼きを押さえつけるので精一杯だった。花びらはパックリと開きヒクヒクと何かをねだるように動く、それに合わせ次々と中から粘り気のある液が滲み出る、モモを伝わる愛液が床を濡らしていく。
『くっっ、はぁ・・はぁ、うっ・・・』
(ほ、火照りが・・・火照りがおさまらねぇ・・・・・)
乳首は布越しにでも軽々とわかるほど硬く勃起し内側から体操着を持ち上げポチッポチッと豊潤に成る桃の先で自己主張していた。ドクンドクン心臓が激しく鼓動する、蜜の甘い香りにそそわれて左手がそろそろと股間に向かい動き出す、すぐさま右手で左手を押さえつける。まるで人間の本能が訴えかけているように頭の中で誰かに触れと命じられている気がした。そんな意志に反逆するように弾けそうになる何かを身体の奥に押さえつけた。
『うっ・・・・・ぷはぁ・・・はぁはぁ・・はぁ・・』
必死に耐える悠に諦めたのか長い上り坂の峠を越えたように段々火照りがおさまっていくのがわかった。
『はぁ・・ざまぁみろ・・はぁ、はぁ・・耐えてやったぜ・・・』
苦難を乗り越えた顔に自然と笑みがもれる。珠のような汗が悠の死闘の激しさを語ってくれる。
呼吸を整え、しばらくして立ち上がると蛇口を捻り水を出すと顔を洗った。さほど冷たくない水でも今の悠にはとても冷たく感じた、額の溜まった汗と上気した肌から火照りを奪ってくれた。
しかし胸の高鳴りもおさまりつつあるものの今だ股間の肉壁は熱くなっていた。
『何かで冷やしときたいな・・・』
疲れからか身体がフラフラする、辺りを見渡すと掃除用具入れのスチール製のバケツに目がいった。少し危なげな足取りでバケツを掴むと洗面台に戻り蛇口を再び捻った「ジャーーーーーーーー」激しい音と共にバケツに水が溜まっていく、半分ぐらい水かさが溜まると床に置いた。脚を広げバケツをまたぐ形になると、膝を曲げそのまま腰を落しバケツの縁に軽く座りバケツが傾かないように左手で前の縁を押さえた
『少しは鎮まったくれよ・・・』
そう言うと右手で水をすくって火照った陰部にかけ始めた。すくってはかけすくってはかける室内にピチャッピチャッと水の音がこだまする、水は陰唇の上を流れ肛門辺りまで流れると雫となってバケツに滴り落ちた。そんな自分の光景が虚しく思えた、授業中にトイレで半裸姿で何をしているんだか・・・そう思いながらも黙々と火照りを洗い流した。しばらくして完全とは言えないがほぼ完璧に火照りが無くなると肌についた水滴をトイレットペーパーで拭きバケツの水を捨ててもとの位置に戻しておいた。床に落ちている下着とブルマを拾うと脚を通し装着すると冷やされた下半身を先程とは違う優しい温かさが覆ってくれた。冬にスカートの下にブルマを穿きたがる気持ちが少しわかった気がした。パンパンッと頬を叩き気合を入れるとトイレを後にした。トイレの扉を開くとムワッとした熱気と鋭く光り輝く日差しが身体をまとった。小走りで校庭まで戻る途中校舎の壁にかかる時計を見ると授業の大半が経過していた、ヤバイと思い足を速めた。
『橘、今まで何やってたんだ!早く100m測定しろ!』
『は、はい、すいません』
校庭に出てきた悠に気付いた教師が怒鳴った。急いで測定地点に向かう。もう大半の生徒が測定し終わったらしく数えるほどの人数しか残っていなかった。測定を終らせた連中はサッカーをやったりと自由な時間を過ごしていた。
「ピッ」ホイッスルに反応して次々と走り出していく、すぐに自分の番が来る。
スタート地点に立つと正直遅れて来て正解だったと思った、スタートの姿勢がクラウチングスタートと呼ばれるもので地面に取り付けた取っ手に足を引っ掛けスタートラインに手をつき腰を持ち上げる体勢になる。自然と後ろにいる連中にお尻を突き出すような体勢にもなる。幸い後ろには誰もいないので後方に気にすることなくスタートができた。しかし先程の疲れから脱力感がまとわりつき、また予想以上に固定されてない乳房が邪魔で測定結果はあまりいいものではなかった。どうでもいいやと思い測定を終らせると木陰でのんびりしている健吾と他数名と合流した。
『おっ、やっと終ったのかよ、ずいぶん遅かったな?』
『ああ、ちょっとな』
『トイレで何してたんだよ?ほんとはオナってたんじゃないのか?』
『ああ、そうかもな』
いじわるそうな顔で質問してきたが、悠の冷たい反応を聞くと冷やかすやめた
『お、おい、ほんとに大丈夫か?具合悪いなら保健室行ッたほうがいいんじゃないか?』
『あん?まあ大丈夫だよ。それよりあいつら、このくそ暑いのによくサッカーやるな〜』
『まあ、いいんじゃねーの?やりたいんだから』
健吾と他数人で校庭を見ながらだべっていると、体育教師がやってきた。
『橘、お前ほんとに橘か?』
『え、はぁそうですけど』
『いくら女になったからといって格好まで女にしなくていいだろ?それに今日のやる気の無さ。
お前のせいで周りが授業に集中できないようなら、お前だけ体育のとき女子の方でやってもらうからな!!』
『す、すいません・・わかりました』
いきなり来たかと思うと怒鳴りつけるので仕方が無く謝った。
『気をつけろよ!!・・ったくそんなでかい胸しやがって・・・』
嫌味を言うように言い放つと、そのまま校庭の方にあるいていった。
『俺だって好きでこんな身体になったわけじゃないぜ!』
両手で胸を押さえながら教師の背中にむかって、ベー−っと舌を出してやった。
『しかし、なんかあいつ俺にからんでいる感じじゃなかったか?健?』
『う〜〜んそういえば・・・』
教師の行動に疑問を持って健吾に話題を振ると考えた末に何かを思い出したようだった
『前に先輩から、あの教師ホモかもしれないって話を聞いたことあったな。女のお前に嫉妬してんじゃないのか?』
『俺も聞いたことあるな。一人で体育教官室に呼び出された奴が、妙に身体触ってきたとか言ってるの聞いたな。』
『あ、俺の知り合いも身体測定のときとか、あいつの目つきはおかしかったとか言ってたな』
健吾の一言で一緒にいた連中が思い出しように次々と発言していった。
『まじかよ・・・何だよそれ・・そんな事で俺は奴から恨まれなきゃならねえのかよ・・・』
くだらない理由から起こる気力もなくなってくる。女になった事を喜ぶ奴ばかりだったのが、まさかこんなとこで恨まれる羽目になるとは思わなかった。
『嫉妬って・・・別に俺は何もしてないだろ?』
『向こうはそう思ってないんだろ。クラスの視線が自分ではなくお前に行くのがムカついたんだろ、なんにせよ気をつけろよ』
『気をつけろって言われてもな・・・・』
『俺たちも気をつけないと、二度と悠のブルマ姿拝めなくなっちまうからな』
そう言うと慌てふためく悠を皆が凝視した。
『だ、だからそういうのをやめろっ!!』
腕で身体を隠すようにしながら文句を言い放った。
『ったく・・・しっかし暑いな〜髪の毛切ろっかな〜暑いし邪魔だしな〜』
笑いながら謝る連中を見た後、ポニーテールの尻尾を掴み前に持ってきて呟いた。黒く艶やかな髪が太陽に照らされ、きらきら輝いている。しかし髪が長い分だけ人より多く光を集め、頭が暑くなってくる。
『よし、切ろう。ショートヘアのが俺は好みだ』『待ってくれ〜その長い髪だけは切らないでくれ』『お前ならどちらでも似合う、髪形よりもむしろ、いろんなコスチュームに着替えていこう』
各々が自分の好みを言い出す、呆れて何も言う気がなくなった。
『お前らの好みなんか聞いてねえっての・・・』
ため息を吐いて、連中の会話を眺めていると終了時間が近づいて来たのに気付いた教師が授業終了の合図を出した。

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