「一緒にお風呂に入りましょう」
先輩は私にブラジャーを外させて、ウインクをしました。「パンツ、下ろしてくれる?」
もちろん私に異存はありません。前から下ろそうとしてお尻がひっかかり、先輩は笑いながら下着はお尻から脱がせるものよと教えてくれました。
全てを脱ぎ去った先輩は‥‥綺麗でした。
当時はまだガングロブームはなく、うっすらと水着の日焼け跡が残った上半身は、グラビアアイドルのような美しさでした。
いえ、それよりもむしろ‥‥失礼だとは思ったのですが、AV女優のような淫らな雰囲気を発散していました。ここがラブホテルで、今からセックスをしようとしているからだったのかもしれません。
私はそんな先輩の体に触るに触れず、手を出したり引っ込めたりと落ち着きませんでした。そんな様子を見て、先輩は私の手をつかむと自分の股間へと導いてくれたのです。「ほら、ここがオマンコ。あなたのおチンポが入る所よ。もう濡れているでしょう?」
手の平と指先に感じる柔らかいけれどしっかりとした恥毛の感触の向こうに、指先を暖かく濡らす何かが触れました。
愛液でした。
私はそれだけで、先輩に向かって射精してしまったのです。
腰を引いてしまった私の、恐らくこれ以上はないと思うくらい情けなかっただろう顔を見て、先輩はしゃがみ、精で濡れたペニスを優しく口に含んでくれたのです。もうあの感覚を二度と取り戻すことができないとわかっていながら、私は今も空しく股間の上の空間を手でまさぐっています。
「ずいぶん溜まっていたみたい。四回も出したのに、まだこんなに濃いのね」
先輩は口の中にある唾液と混じった精を手の平に垂らして、私に見せつけました。私の下着を汚している精も指ですくいとって、ためらうことなく口に含んで飲み込んだのです。そればかりか私の下着まで口元に運び、美味しそうに舌で味わいながら舐め尽くしました。
信じられませんでした。
この人はどこかおかしいのかもしれない。
私はまたペニスに手を伸ばして咥えている先輩の淫らな表情を見ながら、ぼんやりと考えていました。「違うの。嬉しいからこうしてるの」
よほどわかりやすい表情をしていたのでしょう。先輩はペニスを口に含んだまま、少し不明瞭な声で言いました。仮性包茎だった私のものを気にもせず、彼女は私を再び奮い立たせてくれました。そして喉の奥まで飲み込み、前後に頭を動かし始めたのです。
今ならば、先輩のテクニックが一朝一夕で鍛えられたものではないことがわかります。恐らく、優に百を越えるペニスをしゃぶってきたのでしょう。日頃の真面目な優等生の面影を残してながら、彼女はあまりにも淫らでした。
亀頭や竿ばかりではなく、陰嚢まで口に含んで甘噛みする濃厚なリップサービスに私はまた甘く痺れるような快感に震え、精を先輩の口の中に放出しようとしました。
目を瞑っていた私は、先輩が顔を引いたのを知って慌てました。
これまでなのか。
私は絶望を陥りました。ええ、この時の感情なんて、本当は絶望でもなんでもありません。ですが、この時の私は確かに絶望と言っていい感情に満たされていたのです。
恐る恐る目を開くと、大きな丸い塊が私の目の前で揺れていました。
お尻でした。
先輩はヴァギナを指で広げて、このびらびらの中にある穴の中に、ペニスを入れるのだと説明してくれたのです。
白い愛液が太腿を伝うほど、溢れていました。「私のオマンコに、おチンポを入れてくれる? もう、とろっとろなのぉ‥‥」
童貞を捨てたのはバックからでした。
私は先輩のV字に開いた指の間にある膣口に向かって腰を突き出しました。熱く蕩ける、柔らかでペニスを包みこむヴァギナの感触といったら! こうしてキーを打ちながら、私は自分の指をペニスに見立てて空しい自慰をしています。締めつける膣の感触は、指であっても私を狂わせるのです。
男に戻りたい。
そして今の私の体を犯すことができたら、その場で死んでもいいとすら思っています。私を抱く男は、皆、感嘆の声を上げます。君ほど具合のいい女とセックスをしたことはない‥‥と。
確かにそうでしょう。この時の私は、先輩のヴァギナのあまりの気持ちよさに、挿入した瞬間に射精をしてしまったくらいですから。しかし、ペニスの先から精液はほとんど出ませんでした。さすがに挿入前に何回も射精すれば、いかに溜まっていても枯れて当たり前です。
私は少し戸惑いながらも萎えないのをいいことに、先輩の細くくびれた腰に手を回して下から突き上げるように彼女を突きました。「あん‥‥あんっ! おチンポいいのぉっ! オマンコ、とろとろになっちゃう‥‥チンポ、大好きっ!」
こうして私は、再び薄い精を吐き出すまで、淫らな言葉を臆面も無く喘ぎながら吐く先輩を20分ほどもバックから激しく揺さぶり、突いたのでした。
初めて女性の性器の中に吐精した感覚を、永遠に忘れることはないでしょう。
私は先輩の中に出してしまった精液を自分の指でほじり出そうとしました。初めての女性器を目の前にし、私も興奮していたのです。「待って‥‥」
先輩は私をベッドに導き、一つ一つ、セックスの手ほどきをしてくれました。
私が想像さえもできなかったことを、彼女は嫌な顔一つせず、私が理解できるまで教えてくれました。
どんな体位が感じるのかとか、学校のどこの場所ならば他人にもわからずにセックスができるのかとか、どうすれば避妊できるのかとか。避妊具の付け方も先輩に教えてもらいました。普通の付け方の他にも、口と手を使ったやり方も実践してくれました。
その後、彼女は気持ち良さそうに身をよじらせながら、私の思うようにさせてくれました。小さなクリトリスを指で弄ったり、舌で舐めたり。不思議と汚いという感じがしなかったのを憶えています。
避妊と聞いて、私は先輩に妊娠しないかと尋ねました。すると彼女は、ピルを飲んでいるし、今日は計算上も安全日だから妊娠しないと思うと答えました。絶対に妊娠しないということはないけれど、あなたとセックスをするのにコンドームは使いたくなかったから‥‥と。
浮かれていた私は、彼女の複雑な表情に、ついに気づくことはありませんでした。ここは当時を思い返して、先輩の口調から私が想像したことです。だから本当は笑顔だったのかもしれません。
今あの時を思い返して、彼女の口調の裏にある秘密を感じ取れなかったのは痛恨の極み‥‥いいえ、悔やんでも悔やみきれない、正に一生の不覚でした。しかし先輩は、そんな私の感情なんて手に取るようにわかっていたことでしょう。だから絶対に逃げられないように、私をセックスで縛ったのです。
「お泊りにしよっか?」
シャワーを浴びて、タオル一枚だけを巻いた扇情的な姿で先輩は言いました。
もちろん、私にも異存はありませんでした。明日は土曜日で、学校も休みだからです。自宅に友人の家に泊るからと言い残し、私は早々に電話を切りました。電話をしている最中から、先輩は私の腰に巻いたタオルを落し、ペニスをまさぐっていました。「君はもっと、女の子を知る必要があるわ」
私が電話を切ると同時に先輩は私をベッドに押し倒しました。
快感に溺れている私には、彼女の言葉はこれからもセックスをさせてあげるけれど、もっと上手くなってねというようにしかとれませんでした。
私はバカみたいに激しく何度も肯きながら、先輩を組み敷き、いきり立ったペニスを先輩の中に押し込んだのです。
これが私の――最初で最後の女性体験でした。
今でも、思い出すだけで胸が苦しくなります。
甘く切ない思い出と言えば聞こえはいいですが、本当に胸が張り裂けそうな気持ちになります。
あの時、どうして私は、彼女の誘いに乗ってしまったのだろう。
どうして彼女の胸の内に秘めた悪意に気がつかなかったのだろう‥‥と。
先輩の呼び出しに応じた時に、私は死刑執行書に自らサインをして、のこのこと刑場へと歩いていったようなものだったです。
そして私の運命は、大きく変ってしまいました‥‥。