「ねえっ……んっ! ぁんっ、ぁくぅ!」
もう、声を抑える力もなく、僕は自分でも恥かしくなるようなはしたない喘ぎ声を上げた。
1度中に出して、僕が絶頂に達しても、姉はその責め手を緩めてくれなかった。
胸の上まで捲り上げられた汗まみれの体操着に、股間の部分だけずらされて愛液と精液で汚れたブルマが、動くたびに体を擦り上げて刺激するのが、酷くわずらわしい。
僕は、全身が性感帯のようになってしまって、ただ姉の行為に翻弄されるだけの、快楽人形だった。
「これが終わったら、男の子に戻してあげるって言う約束でしょう? その前に、たっぷり楽しんでおかないと、もったいないわ」
つまりは、そういうことらしい。
僕は、ただひたすらに快楽の流れに身を任せた。そうするしか、なかった。
「ひぁっ、あはぁぁぁっ・くぅんっ!」
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“太陽が黄色い”っていうのは、こういうことか……。
僕は自室のベッドの上で、妙な感慨にふけった。
結局、あれから何度絶頂に達したかすらもわからなくなるほどに、さんざん弄ばれた。
太陽はもう中天に差し掛かっているけれど、全身にけだるさが残って、腰が痛くて、とても起きる気にはならない。
服は、いつの間に着替えさせられたのか、ピンクのネグリジェだった。
コンコン。
しばらくぼーっとしていると、姉が部屋に入って来て、言った。
「さ、準備が出来たわよ」
「え?」
「何とぼけた声を出してるの。男の子に戻らなくていいの?」
………それは困る。僕は、姉の手を借りて、何とか起き上がった。
「くぅっ…」
僕の体の奥の“女の部分”がズキンと痛んで、どうしても蟹股のような格好になってしまう。
「あーもう、みっともないわね。ほら、もっとこっちに寄りなさい」
強引に引き寄せられて、横抱きにされた。
姉は、言葉の割には、顔は嬉しそうだった。
「ほんと、もったいないわね。こんなに可愛い祐ちゃんが、これで見納めなんて」
すりすり。
「ひやっ!」
ほお擦りまでされた。
そうか……こんな風に姉に甘えられるのも、弄ばれるのも、これで最後なんだ。
そう考えると、妙に寂しく感じる。僕の胸の中にいつの間にか生まれていた女の子部分が、じくじくと、古傷のように疼いた。
「あら、なに? ひょっとして、もっと可愛がって欲しかった?」
姉は、僕の内心を読んだかのように耳元でささやいた。
「そ、そんなわけないってば!」
「そぉ? 残念」
僕は反射的に否定して、姉は大げさに溜息をついた。
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「湯加減はどう?」
「丁度いいかんじー」
ぽかぽかと、体の芯から温まるお湯に浸かりながら、僕は風呂場の外に返事した。
男に戻る薬というのは、女になったときと同じように全身に浸かる必要があるらしい。
それで僕は、姉の用意した薬入りの風呂に浸かっているのだった。
「ん………っ」
しばらくして、何かが、体の中で蠢く感覚。それと同時に、体が燃える様に熱くなっていく。
最初の時と同じ感覚が、僕の中に満ちて来る。
次第に、のぼせたようなめまいとともに、気が遠くなってきた。
これで、目が覚めた時には、元に戻っているはず……そう考えた時、唐突に、僕の脳裏を1人の少女の姿がよぎった。
どことなく母の面影のあるそのか細い少女は、何故か、寂しそうな表情をしていた。
女の子の僕だった。
「さようなら。また……ね」
何故か、そう聞こえた途端、僕の意識は急速に深く落ちていった。