「そ、その……」
「やっぱりそうなのね。なんて事かしら!! 令の初めては私が……」
その言葉を聞いて令もようやく事の次第を理解した。つまり、そういう事である。
静奈は令の"初めての人になりたかった"のだ。
令にとっては極めて複雑な気分だった。なりゆき上でセネアに抱かれたとはいえ、多分あれが無ければ静奈は容赦なく令の純潔を奪っただろう。
どちらにせよ女になった令には”処女を失う”という運命が確定していたようだ。
その二つの選択肢が両方とも女性というのが、運が良いのか悪いのか……実に微妙だ。
まだぶつぶつと文句を口にする姉を見ながら、令は何故か笑い出したい気分だった。
が……静奈が唐突に何かを思い付いたかのように令の方を見る。そしてその顔が静かに笑った。
「ね、姉さん…?」
「そうよね……多分そっちは……」
「な…何?」
令の質問に静奈は答える事なく、突然令の足を掴んでうつぶせに転がした。
相変わらず手錠がベットの端に繋がれたままなので、令は両手を前に伸ばして尻を突き上げるようなポーズをとらされる。
「ちょ、ちょっと……姉さん何を…!?」
「ああ……令ったらお尻も可愛いわ。ボリュームがあるのにキュって引き締まって……。」
いつのまにか静奈の顔は先ほど令を責め立てていた時の顔に戻っていた。そして両手で令の尻を掴むと、その顔がゆっくりと令の尻に近づく。
ぴちゃ。と、静奈の舌が令の菊門に触れた。まさかそんな所を刺激されると思わなかった令は、思わぬ姉の行動に一瞬にしてパニックになる。
「ねね、姉さん!そ、そこは……やめ…そんなところ、きたな……ひううっ!」
「令のここ……可愛いわよ。汚くなんてないわ……」
令の拒絶を無視し、静奈は舌で令の菊門を容赦なく責め始めた。
始めは戸惑う令だったが、その巧みな責めにじわじわと息が荒くなってくる。
「これだけじゃ足りないかな……もう少し潤滑油が必要ね。」
突然令の秘部にするりと静奈の手が滑りこんだ。そこは先ほどの情事のせいで濡れたままの状態だ。
「ひあっ!な、何!姉さんいったい何を……」
令の愛液を指に絡み付かせるように手を動かし、静奈はその手再び令の尻にそえる。
そしてそのまま手にからんだ愛液を菊門の入り口に塗りこんだ。
「はうううぅぅっ!姉さ…ん、どうしてそんな事……」
「……。令って案外に鈍感なのね。私は令の初めてが欲しいのよ?」
かしゃり、と何かを刺し込む機械音がする。見ると静奈がペニスバンドの擬似ペニスを先ほどよりも細くて奇妙なイボのあるものに差し替えていた。
「な……!まさか姉さん!!」
「いまごろ気がついたの? でもそういう初々しさが余計に可愛いわね。」
思わず逃げようとする令の尻を静奈の手ががっしりと掴む。手錠がある事を別にすれば、男の令であれば強引に姉を力で振り切れたかもしれない。しかし今は背丈からして負けている女同士だった。
尻を振って抵抗する事すらかなわず、菊門にピタリとアナル用に替えられた擬似ペニスを添えられる。
「姉さんお願いやめて!そんな……お尻なんて……!」
「そんな事言ったって令が悪いのよ。せっかくの初めてを他人に上げてしまったんだから。」
「そ、そんなぁ! 僕だって無理矢理……」
「理由なんて関係ない! せめてこっちだけでも私のものにしないと納得できないわ!!」
めりっ……静かに菊門に侵入してくる異物の感覚に令の尻がいっきに熱を持ち始める。
「いけそうね……じゃあ令、いくわよ!!」
「やあぁっ!だ、だめ……や、ああああああああああぁぁーッ!!」
静奈の股に固定された擬似ペニスが容赦なく令の排泄器官に侵入してきた。
秘部に挿入されるのとはまったく違う感覚……じわりとした熱が全身に広がるようなイメージだった。
だが、それ以上に令の後ろはまだそういう事慣れてはいない現実。痛みが全身を貫いた。
「痛ッ……痛ああぁぁ!!…姉さんやめ……やめてえぇ!!やぁっああああぁ!!」
「これよ……ああ私は今、令の初めてを奪っているのね。素敵……」
静奈は令を背中から抱きしめ、ぴったりと体を密着させて腰を静かにグラインドさせていた。
令の必死の懇願も、今の静奈には歓喜を引出す呪文にしかならない。
「ごめんね令、痛いんでしょう? 初めてだものね……でも……」
静奈の手がゆっくりと令の胸と秘部に移動する。
「でも大丈夫。喜びで満たしてあげる……きちんと最後の喜びまで導いてあげる!」
「そ…そんなのいらないからぁ…やあっ!! やぁああぁ! や、やめ……」
「身を任せて……あとはあなたの新しい体が導いてくれるわ。」
「やっ……あ、ああああああぁぁッ! 姉さん!!や、あああッ!」
その手が腰に合わせてゆっくりと刺激を開始した。令はたまらず声を張り上げる。
まだ尻からの痛みは続いているのだろうが、それを相殺するように胸と秘部から快楽を引出される。
令の口からは交互に甘い声と苦痛の声が発せられるが、もはや令自身がその声をどちらの感覚に対して発したのかを自覚できないでいた。
苦痛と快楽が交じり合い、その境が少しずつ崩壊する。
そしてその判断を下せなくなった意識は、その全てを快楽であると判断し始めた。
「ひゃあああうううぅぅ!!あつ……熱い!お尻が……体が溶けちゃううぅぅ!!」
「いいのよ……感じて令!快楽に身を任せて、よがり狂って!!」
いつのまにか静奈は令の尻に容赦なく腰を打ち付けていた。
すでに令は加減などしなくとも、口から発する声がすべて歓喜の嬌声になっていたからだ。
しかしそれでもなお静奈の心は乾きを覚えた。何かにとりつかれたかのように令を責める。
とにかく令をもっと鳴かせたかった。快楽でよがり狂わせたかった。
かつて幾人もの少女の花を散らせてきた静奈だったが、過去に相手をこんな風に思った覚えはない。令は奇妙なぐらい人を引き付けた。
逆に令は、信じられないほどの快楽の本流に嬲られ続けていた。
男の時ならとっくに射精の限界を超えている快楽、全身を貫く女ならではの快楽だ。
女を責める事に長けた姉が全力をもって令の肢体を嬲っているのだから、令の体はこれ以上ないというぐらいのスピードで快楽を増幅してゆく。
「ひゃあううああぁ!! やだぁ!!お尻でなんて……あああぁあぁッ!」
「クスッ……令ったらお尻でイくのが恥かしいの?」
後ろから令を抱きしめたまま、静奈が令の耳元に口を近づけ囁く。
「安心しなさい令……私も鬼じゃないんだから。」
「ああうッ! ね、姉さん……? ひああっ! あああっ!」
静かな口調をもって静奈が令の耳元で囁く。そしてゆっくりとその動きを止めた。
「ふぁ……あ、ぁ……ねえ…さん……?」
「可愛い令の、初めてを貰ったんですものね。だから……」
動きが止まった事で、令はようやく呼吸を整える事ができた。
そして荒い息を吐きながらようやく解放された事に安堵した……その途端、
「だから……令には新しい快楽を教えてあげる! 女の絶頂を体に刻み込んであげるわ!!」
再び、そして先ほどよりもさらに激しい責めが再開される。
ある種意表を突かれてしまった令の肉体は、信じられないほど素直に快楽を受け入れ始めた。
「ああああああぁぁーッ! だめ…ひゃうッ!だめ、壊れる! こんな…こんあああああぁ!!」
理解を超えたスピードで快楽が体を支配してゆく。
いくら心でそれを否定しても、もはやその侵食を止めることは不可能だ。
肉体が快楽に陥落し、そしていよいよそれは心を蝕み始めた。
「ダメぇえ!姉さん僕壊れちゃう…こんなの……やあぁっ!やああああああぁぁ!!」
「大丈夫よ令……私がしっかり抱きしめててあげるから、安心してイっちゃいなさい!!」
「だめ…だめ……や、あああっ……あああああああああああああぁぁぁ―――――ッ!!!!」
抗うことすらできず、令は再び女の絶頂とともに体を反り上げて叫んだ。
そして後ろから抱きしめている静奈とともにゆっくりとベットに崩れ落ちる。
−お尻で……しかも姉さんに…女の人に責められて……−
羞恥と葛藤……思わず目に涙が浮かんだが、ふと、その涙を静奈が指ですくい上げた。
「泣かないで令……本当に、本当に令は可愛かったんだから。」
静奈が優しく令の髪を撫でる。そしてもう一方の手で令をぎゅっと抱きしめた。
見ると静奈は令を責めていた時とは正反対の優しい顔で微笑んでいた。
「あ……ね、姉さん……」
「大丈夫、令が落ち付くまでずっとこうしていてあげる……」
多分それは、女の子を責めた後の姉のいつもの相手に対する態度だったのだろう。
だが今の令には、そんな静奈の体の温もりがやけに暖かかった。
そして二人はしばらくの間、ベットの上で抱き合っていた……。
「で……とりあえず学校に行こうとは思ったんだけど……。」
結局昼近くになって二人はようやく落ち付き、静奈の部屋で机の椅子とベットの上で、向かい合って座っていた。とりあえず当面の令の生活をどうするかを話し合うためだ。
「正直言って浅はかね。服着たって裸見られたらお終いなんだし……」
令は朝までの経緯を静奈に話し、体を隠して登校する事を提案したがあっさり却下される。
「だいたい体育どうするのよ?まして今の時期ならあの学校、水泳でしょう?」
「あ……。」
令は姉に指摘されようやく事の欠陥を思い出した。確かに誤魔化しようのない部分がある。
「何回も欠席してたら当然怪しまれるし……やっぱり三木原・令としてはダメね。」
「ダメって……じゃあどうするのさ?それに令としてダメって何?」
「男がダメなら女ってね……うん、良い考えがあるわ。それでいきましょう!」
「そ、それって……?」
質問を返すが静奈はそれに答える事なく動き始める。昔から静奈は考えがまとまると、とにかく行動を優先させてしまうタイプだった。こうなっては令の質問にも答えないだろう。
そうこうしているうちに静奈はクローゼットを開けて何かを取り出した。
「ちょっと今の令には大きいかもれないけど……うん、十分許容範囲内ね。」
それは令にも見覚えがあるもの……いや、今でも結構身近なものだとも言えた。だが……
「姉さん、僕には大きいって……まさかそれを? ちょ、ちょっと待ってよ……」
それは静奈が現役だった頃の制服……つまり令の学校の女生徒用の制服だった。