「さて今日は誰と遊ぶかな」
 今日もカイトが放課後の残虐行為の獲物を選びにかかっていると、クラスメートの一人が彼に進言をした。
「たまには場所を変えてみませんか。あの生科学研究所の裏口みつけたんです。
 この時間なら職員はみんな帰ってるし、カイトさんの好きそうな拷問に使えそうな道具がごろごろ転がってましたよ」
 生科学研究所とは、この学校の裏山に設けられた、住民の誰もが寄り付かないところにぽつんと立っている施設のことだ。
 そこではなにか生物についての研究をしているということしか村人には伝えられていなかった。
 進言に興味を持ったカイトは、クラスメートをぞろぞろ引き連れ自ら率先して裏口から研究所へ入っていった。
「なんだオイまっくらだな」
 カイトがそういい終わるか否かのうちに闇の中から何本もの手が伸びてカイトを床にたたきつけてねじ伏せた。
 彼にしてみれば思いもよらない僕どもの反逆であった。
「おまえら自分が誰に何してるかわかってんだろうな、ああ?!」
少しもひるむことのない落ち着き払ったカイトのすごみに、クラスメートの間に動揺が走る。だがそのつかの間、研究所に突如灯りが点された。
「はい皆さん、ご苦労様」
 低い大人の声を響かせて、白衣をまとった長身の男が、靴音を鳴らしながらねじ伏せられたカイトに歩み寄る。
「何だてめえは、失せろチンカス野郎!」
「あなたがカイトくんですね。ここにいる皆さんからあなたの暴挙は聞いていますよ、いけませんねえおいたがすぎるのは。 あなたにはキツイお仕置きが必要なようですね」
 カイトの暴言にも全く動揺せず、落ち着いた素振りで白衣の男はポケットから液体の染み込んだ布を取り出してカイトの鼻と口を押さえ込んだ。
 ふざけるな、離せ!
 声にならない抵抗も空しく、カイトの意識は強い刺激臭の中遠のいていった。
「さて、皆さん、彼を至術室に運ぶのを手伝ってください、おっと」
 突然ウオーッと叫び声をあげて、カイトによってチンポに根性焼きされた田中が気を失っているカイトに殴りかかろうとするのを男が制止する。
 彼だけでない、クラスの男子全員がこれまでカイトによって虐げられてきたのだ。
 みな今すぐにでもカイトをメタメタにしてやりたい衝動で殺気だっていた。
「なにも今焦って暴力で復讐しなくたって、五日も待てばもっと楽しい方法で彼をイタメつけることができるんですから、至術が終わるまではこらえて下さいな」
白衣の男は下舐めずりをして眼鏡の奥の目を光らせた。

 次に目が覚めたとき、マッドサイエンティストと復讐に燃える少年たちの手によって、一体どんなむごい仕打ちがカイトに下されるのだろうか・・。

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